電源の自動切替装置を改造して手動で「瞬停・瞬断」を改善する方法
近頃のポータブル電源は、UPS機能(無停電電源装置)が付いている製品が多くあります。そして、UPSの機能も優秀なものが多いです。
私は自作したポータブル電源を、ソーラーで充電して使用しています。その時に感じていたことは、「商用電源とポータブル電源の切替を好きな時に安全に切り替えたい」ということでした。
以前に作成した「【超簡単に出来る】2つの電源の自動電源切替器をDIYする方法」では、瞬停(電気の供給が一時的に切れる)が起こりました。
そこで、違う製品を購入して変換装置を作ったので、同じようなことを考えている方の参考になればと思い記事を作りました。
使用した製品
目次
自動電源切替装置の改造の経緯
この製品は次のような動作をします。
- ソースAが主電源
- ソースBがサブ電源
- 出力端子にソースA、あるいはソースBから電源が供給される
- ソースAの電源が途切れると、自動的にソースBのサブ電源に切り替わります
- 電源の供給切替は、電磁ソレノイドで機械的に変える方式
- ソースAとソースBがバッティングすることは、機械的にできないようになっているので安心
部品を交換してみる
商用電源(AC100V)で使用するために購入したのですが、購入した製品は定格電圧がAC220Vだったようでうまく動作しませんでした。
アリーエクスプレスで購入したので、改造して使うことにしました。
STEP
内部のリレーを100Vのものに変える
内部のリレーを見ると、240V仕様となっていたのでオムロンの100V仕様に変えてみた。
ソースBからソースAへの動作が、うまく切り替わらない。
STEP
ソースBのサブ電源がうまく動作しない
ソースAとソースBの切替は、電磁ソレノイドを使って機械的に切り替えています。
ソースBの回路のブリッジダイオードを、交換してみる。
STEP
動作が不安定
単独でソースAとソースBを動作させると、切り替わるがなぜか不安定。
内部回路図を調べる
内部の配線は次のようになっています。
マニュアルハンドルの位置がAにある
ソースAに入力がある時
- AR-AN間に入力があると
リレーが動作し、リレーの「5と9」がONになる。 - 従って、ソースAから電源が供給される。
- ソースAとソースBは、機械的に分離されているのでバッティングすることはない。
ソースAが停電した時
- ソースAの電源が切れると
リレーが切れて、リレーの「2と10」がONになる。 - 内部回路のBが動作して、電磁ソレノイドによりマニュアルハンドルがソースBに切り替わる。
- 従って、ソースBから電源が供給される。
マニュアルハンドルの位置がBにある
ソースAに入力が戻った時
- AR-AN間に入力があると
リレーが動作し、リレーの「5と9」がONになる。 - 内部回路Aが動作するので、電磁ソレノイドによりマニュアルハンドルがAに切り替わる。
- 従って、ソースAから電源が供給される。
- ソースAとソースBは、機械的に分離されているのでバッティングすることはない。
電源の切替を手動スイッチに変更する
リレーの問題か、電圧の問題か、原因は分からないが自動では上手く動作しない。
そこで、リレーを使用しないで、プッシュスイッチを使って手動で切り替えることに変更した。
変更した回路図
プッシュスイッチは押したときだけ「ON」になる「モーメンタリスイッチ」を使う。
不具合の発見
手動切替装置のまとめ
プッシュスイッチによる電源の切替装置の使用状況は、希望通りの動作をするので満足しています。
- ソースAからソースBへの切替
ソースBからソースAへの切替共に「瞬停・瞬断」が発生しない状況です - 以前の「【超簡単に出来る】2つの電源の自動電源切替器をDIYする方法」では、切替の時に瞬停が発生しテレビの切替では画面が一時的に消えて再起動しました。
- 今回の方法では、テレビの場合でも画面が消えることなく、スムースに切り替わります。
今回の切替装置の改造では、AC100V回路を使用するので電気の知識がある程度ない方は、危険を伴いますので自己責任でお願いします。