バッテリーとインバーターを接続する時に起こるスパーク(火花)の防ぎ方
ポータブル電源を自作する時
バッテリーとインバーターの最後の配線で、必ずというほどスパーク(火花)が起こります。
このスパークが起こるのは、決して機器の異常や故障ではありません。
スパークを気にしないのであれば、そのまま接続しても構いません。
この記事では、「なぜスパークが起こるのか?」、「スパークの防ぎ方」について説明します。
目次
バッテリーとインバーターの配線方法
ポータブル電源の場合
バッテリーとインバーターの配線は、順序に決まりはありません。
どこから配線しても構わないのです。
仮に
バッテリーのプラス端子を「A」、マイナス端子を「B」とします。
インバーターのプラス端子を「C」、マイナス端子を「D」とします。
図のように
- バッテリーのプラス端子とインバーターのプラス端子を接続します
- バッテリーのマイナス端子とインバーターのプラス端子を接続します
配線を接続するのは、4か所だけですから簡単です。
ポータブル電源の配線の順序に決まりはない
バッテリーとインバーターの配線は、自動車のバッテリーと違って何処にもアースされていません。
そのため、配線の順序に決まりは無いのです。
バッテリーは「1.5Vの乾電池」と違って、大きな電池の容量があります。
バッテリーの プラスとマイナスをショート(短絡)させると非常に危険です。
配線をする時は、プラス端子とマイナス端子に十分注意しましょう。
自動車バッテリーの配線について
自動車のバッテリーの配線については、順序があります。
- バッテリーから端子を外す時・・・マイナス端子から外す ⇒ プラス端子を外す
- バッテリーに端子を接続する時・・・プラス端子から接続する ⇒ マイナスを接続する
- マイナスから外す理由
-
自動車は車体の金属をアースの代わりにしています。
つまり、車体=バッテリーのマイナスになります。
マイナスが接続された状態で、プラス端子のネジを回している時に工具が車体に触れると「ショート」します。
- プラスから取り付ける理由
-
上記と同じ理由で、バッテリーに端子を取り付けるときは、プラス端子から取り付けます。
スパークは最後の配線が接続される時に起こる
スパーク(火花)が起こるのは、最後に配線されるところです。
つまり、A、B、C、D の何処かで、スパークが起こります。
- スパークが起こる理由
-
スパークが起こるのは、インバーターの中にある電気を貯める部品(コンデンサ)に急激な電流が流れるためです。
スパークが起こるのは、インバーターの異常や故障ではありません。
一度、コンデンサに充電されれば、2回目はスパークが起こりません。
スパークを防ぐ方法
スパークが発生するのは、回路に電気がいっぺんに流れるために起こります。
スパークを防ぐには、電気をゆっくり流してやれば良いのです。
電気をゆっくり流すには、抵抗という部品を使います。
図のような、セメント抵抗を使う方法が簡単です。
接続する場所
抵抗を接続する所は、最後に接続する端子の場所です。
図のように、最後の配線が「D」端子の場合
- 「C」端子からの配線と、「D」端子の間に抵抗を接続します
- 約10秒間程度、抵抗を接続すれば、インバーターに電気が貯まります
- その後、抵抗を取り外して、「C」端子からの配線を「D」端子に接続します
- 以上で、完了です
インバーターに電気が貯まってから、端子の配線をすれば「スパーク」は起こらない。
バッテリーとインバーターの配線図
抵抗を取り外して、接続すればOK。
鉛筆を使う方法
配線の中でスパークするのは、ここだけです。
わざわざ、セメント抵抗を用意するのも面倒です。
抵抗の代わりに、鉛筆を使う方法がある。
図のように、鉛筆の両端を削ります。
- 鉛筆は黒鉛でできているので、電気を通します。
- 約10オーム前後ありますので、丁度良い抵抗値になります。
図のように、抵抗の代わりに鉛筆を触れさせます。
鉛筆の芯は、硬いので触れさせれば大丈夫です。
- 「C」端子からの配線と、「D」端子の間に鉛筆を触れさせます
- 約10秒間程度、鉛筆を触れさせておけば、インバーターに電気が貯まります
- その後、鉛筆を取り外して、「C」端子からの配線を「D」端子に接続します
- 以上で、完了です
スパークの防ぎ方のまとめ
- 抵抗を接続して、電気の流れをゆっくりにする
- 抵抗の代わりに、鉛筆を使っても大丈夫
- スパークするのは、最後の配線の一度だけ気にしなければそのまま接続してもOK
- スパークするのは、機器の異常でも故障でもない